2009/3/2 週刊『ダーリニ・ボストーク通信』789号
2月18日にユジノサハリンスクで行なわれたメドベージェフ大統領と麻生首相の会談についてロシア極東の専門家はどう評価しているのだろうか?本誌現地記者がウラジオストク国立経済・サービス大学のミハイル・シンコフスキー教授に聞いた。
「領土問題を巡るロシアの立場は、メドベージェフ大統領の就任以降も変わってはいない。ロシアにとっては現在日本からの領土に対する要求よりも、遥かに緊急を要する問題がいくつもある。この会談で何か新しいアプローチを示唆するようなものは何も見出せなかった。むしろ何か誤解が生じているようだ。プーチン首相の訪日でどのような結果が得られるかについてはまだ何も言うことはできない」とシンコフスキー教授は述べている。
本誌現地記者は、ロシアのプレスはLNG工場の稼動という経済的事件を集中的に報道し、日ロ首脳会談の政治的側面にはあまり触れていないと指摘する。本誌現地記者によれば、ロシア側はシベリア・極東開発計画の実施及び新たな資源産地開発に必要な投資を募るために日本との協力関係に関心を持っているという。(3/1)