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《ウラジオストク》紙 記者と株主の対立が明確に

2009/2/20

  沿海地方のジャーナリストらによると、今年1月からウラジオストクを代表する地方紙《ウラジオストク》に異変が起こっている。株主の決定によりブラフ編集長が解任され、また新編集長に推薦されたウラジーミロワ氏の正式な就任も決まっていない。同紙の支配株を持つ「ボストークセメント」社の所有者はプシカリョフ市長の親戚にあたり、市長の勢力と現地有力紙の対立とも見られている。各紙の報道をもとにまとめた。
1月13日付コメルサント紙によれば、2008年に運営会社「ボストークセメント」が閉鎖型株式会社「ウラジオストクニュース」の支配株を買い取り、同社の運営する「ウラジオストク」紙に影響力を持つようになった。
  1月12日に株主からの決定として「ウラジオストク」紙セルゲイ・ブラフ編集長に解雇通告が出された。ジャーナリストの間での噂によると、元編集長はアルコール問題を抱えていたともいう。また、それまで同社の経営状態は思わしくなく、社員に対して3、4ヶ月給料が支払われなかったも言われている。
  新編集長としては長年「沿海地方公共テレビ」局長を務めたエレーナ・ウラジーミロワ氏が推薦された。地元のジャーナリストらは、ウラジーミロワ氏はプシカリョフ市長の息がかかっているという。
  1月13日には同紙の記者たちが共同で公開状を出し、ブラフ編集長解任を自由な報道活動に対する抑圧として批判した(1月13日付ラジオ・スバボーダ)。また1月23日に行われた会議では、同紙記者たちはウラジーミロワ新編集長の就任を認めない決議を行なった(1月30日付「ナーシェ・ヴレーミャ」紙)。現在、ウラジオストク紙の編集長のポストは空席のままであり、ウラジーミロワ氏が編集長代行を務めている。
ウラジオストク紙では1月中旬から2月中旬までに5人の社員が退社しており、その殆どが若いスタッフだという。また、市の中心部にある複数のオフィスを明け渡している。
  このような状況のなかウラジオストク紙閉鎖の噂が流れているが、本誌記者が確認したところ2月20日現在、同紙は閉鎖されていない。(2/20)

*コメルサント紙によれば、2008年「ウラジオストク」紙の発行部数は日刊で1万3350部、金曜版で2万250部である。



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