ロシアは丸太の輸出関税引き上げをさらに1年延期するかもしれない。ナビウリナ経済発展相の発言を8月4日付のRBC Dailyが伝えた。
ナビウリナ経済発展相はフィンランドを訪問中に同国のマスコミに対して丸太の禁止的輸出関税導入をさらに1年延期する可能性について伝えた。同相によると、延期に関する決定が数ヶ月以内に採択されるという。経済発展省広報局はこの件に関する補足的なコメントを差し控えている。
しかし、木材市場関係者らは、丸太の禁止的輸出関税導入がさらに1年延期されても木材業界が抱える問題は解決されないと指摘している。ロシア北西木材産業会議のソコロフ執行部長は「現在の輸出関税でもロシアの丸太価格は高過ぎて、輸出量は激減しています」と語っている。同氏によると、フィンランドの木材加工業者は南の国々のより安い原料を使うようになっており、それらの国に加工拠点を移している。
ロシアは木材産業の工業化政策に伴い2007年から段階的に丸太の輸出関税を引き上げており、2009年1月より80%の禁止的輸出関税が導入される予定であった。しかし国内の木材産業の工業化が間に合わないこと、また外国からの要請により、直前になって1年間の延期が決定された。(8/4)
(週刊ダーリニ・ボストーク通信811号より抜粋)