2009/3/31
ロシア極東の軍関係者の多くはこれまで「人工衛星打ち上げ」について北朝鮮国内の問題と考えてきた。しかし日本がミサイル迎撃システムの配備を始めたという情報を受けて、沿海地方の軍関係者は周辺地域の情勢悪化を懸念し始めている。3月30日付で本誌現地記者が伝えた。
「もし人工衛星打ち上げに見せかけて北朝鮮が大陸間弾道ミサイル『テポドン2』の実験を行なうつもりなら、これは国連安保理決議の違反とみなしうる。さらにその後の事態がロシアにとって好ましくない方向へ発展する可能性もある。もし日本がミサイルを打ち落とせば、それが宣戦布告ととらえられるかもしれない。日ロ間には平和条約が締結されていない。ロシアは北朝鮮を支持している・・・となれば」元諜報機関中佐のセルゲイ氏は言う。
また北朝鮮のミサイル発射を巡って紛争が勃発する場合、ロシアが中立の立場を取るべきとする意見もある。「もちろん朝鮮戦争時ソ連が北朝鮮を支援したことは皆良く覚えています。けれどもし現在軍事紛争が始まるようなことになれば、ロシアが中立を維持することを願います。北朝鮮がロシアにとって『弟分』だとしても、他人の支援をあてにすることに慣れきった『弟分』の脅迫行為のツケを払わされるのはごめんです」三級大佐・元潜水艦乗組員のスタニスラフ氏は言う。(3/30)