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ウラジオ短信

ロシアにおける日本マンガ・アニメ

12月3日から7日まで、ウラジオストクでマンガセミナーが開催された。日本からプロ漫画家を講師に迎え、地元の日本文化やマンガの愛好者に、作画技法や講演など、マンガ文化発祥の地ならではの確かな知識を伝授した。セミナーと並行してコンクールや地元漫画家作品の展示会なども催され、人々の関心を大いに集めていた。

日本と違い、ロシアでは漫画雑誌はほとんど無い。しかし、インターネット上では、マンガ愛好者のサイトが幾つも見つかる。日本マンガのロシア語版出版を専門とする会社も現れるなど、今、マンガ文化はロシアで確固たる存在になっている。

マンガに劣らず、さもするとそれ以上に熱いのが、日本のアニメ文化である。日本のアニメ番組は、90年代から既にロシアで放映されている。テレビでは主に子供向けのものが多い。一昔前、子供だった頃にはじめて日本アニメに触れた世代が、現在ロシアでの日本アニメ愛好者の主な層となっている。彼らが主導となり、ロシア各地でコスプレ大会が開催される程に、文化の浸透は進んでいる。

ロシアでは、祝日や誕生日、個人的な記念日など事あるごとに、メッセージカードを送り合う習慣がある。以前は、花などの絵柄が描かれているものが多かったが、最近、アニメ風のイラストが描かれているものも見られるようになってきた。

ある時、弊社のウラジオスタッフが、「かわいいでしょ」と、アニメ風イラストが描かれたメッセージカードを見せてきた。彼女は普段、さほどマンガやアニメには興味が無い人である。これは、愛好者の間だけというレベルではなく、広くロシア人一般の感覚からしても、受け入れられていることを表していると思う。

海賊版の存在、著作権関係など、解決すべき問題も多々あるが、マンガやアニメがきっかけで日本に関心を持つ人がもっと多くなってくれれば、と願っている。

2007/12/11 JSN 黒須 将道

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2007年12月11日掲載の記事を転載したものです。

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