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ウラジオ短信

沿海地方で大規模暴風雪

先月下旬、月平均降水量の2カ月分以上という大規模な暴風雪が沿海地方で発生した。金曜の夜から激しくなってきたため、幸い仕事にはあまり影響がなかったが、帰宅しようと事務所を出て、吹雪に襲われた。

ウラジオストクでは、航空便が一時的にストップし、道路交通が滞った。電線に雪が積もったり、発電設備に不具合が生じたりしたことで、沿海地方各所で大規模な停電が起き、発生から間もない時点で全世帯の約10%に広がった。

嵐の峠が過ぎ、何日かたっても、まだ数万世帯で停電が続いた。沿海地方では、電気コンロを煮炊きに使う家庭が多い。報道は、必要に迫られて空き地でたき火をし、そこで炊事をする人々もいるなどと伝えた。 

一部地域では数日にわたり水の供給もストップした。ロシアでは温水による集中暖房が一般的で、石油ストーブのような燃料を使う家庭用暖房器具はあまり普及していない。停電と断水という二重の被害に遭ってしまった母親が、ニュースで「水が出ず、子どもを風呂に入れてやれない。電気がないので料理もできない。暖房も効かないため一日中毛布にくるまっている。一日も早い復旧を」と訴えていた。その不便、苦労は計り知れない。

その後、懸命の復旧作業により、11月初めには、沿海地方のほぼ全世帯で電気供給が再開された。暴風雪による大規模停電というと、2年前の冬に新潟であった同じような出来事を思い出す。当時自分は職場にいて、停電のため電話も何もできずエアコンも効かず、ほとんど一日中石油ストーブを囲んでいた。復旧したときのありがたさは忘れられない。それだけ電力や水は生活に欠かせないわけだが、不可欠なものであればあるほど、普段その大切さを認識しづらいものである。

2007/11/19 JSN 黒須 将道

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2007年11月19日掲載の記事を転載したものです。

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