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ウラジオ短信

寒さなんの メーデー熱く

メーデーの5月1日を、ちょうど出張中のウラジオで迎えた。今年はどのような人々が参加するのか、また、ミーチング(集会)では、どんなアピールがなされるのか。興味を持って臨んだ。

当日のウラジオは曇り空で肌寒く、「参加者は少ないだろう」と考えながら、メーデー会場である中央広場に向かった。

しかし、会場は、悪天候をはね返すように参加者の熱気に包まれていた。しかも、モスクワや他の都市でも、例年になくメーデーの参加者が多かったようだ。

その理由としては、2点が考えられる。

第一に、ロシアでは今年12月に下院議会選挙、来年3月には大統領選挙を控えており、各党が活動を活発にしている点。

そして第二には、生活の格差が職業によってはっきりと分かれたことによる影響が挙げられる。

ロシアでは現在、物価の高騰に年金支給額が追いつかない、教師や医師などの知的労働者の給料水準が低いなどの問題が生じている。

ウラジオの集会には、約2000人以上の労働者らが集まったが、参加者の階層は年金生活者が圧倒的に多く、次いで、医師や教師など低所得の人が占めた。ミーチングでは、沿海地方労働組合連盟の代表者らが、「年金と給料を上げるべきだ」と、政府に要求した。

今、日本から見えるロシアは原油高に沸き、消費ブームで高い商品が売れ、一見、経済の順調さばかりが強調されている。しかし、今年のメーデーに見るように、ロシアでも、年金生活者や知的労働者らの生活水準をめぐる「格差社会」の解決が、切迫した課題となっている。

2007/05/02 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2007年5月8日掲載の記事を転載したものです。

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