JSNトップページ > ロシアな日々 > ウラジオ短信

ウラジオ短信

右ハンドル車の輸入禁止再浮上に抗議

5月19日、ウラジオでも「右ハンドル車輸入禁止」に抗議するデモが行われた。約300台を超える右ハンドル車(日本製中古車)が縦隊を編成してクラクション鳴り響かせながら市の中心街を行進した。

これは、ロシア政府が右ハンドルの乗用車をロシアの道路から締め出し、また、車齢5年を超える外国製中古車に高関税を課す決定を採択するかもしれない、そのことに反対する市民の行動である。

今、ロシアには100万から150万台の日本車が保有されていると見られる。このうち極東での登録が95%。ウラジオでは、乗用車の9割以上が右ハンドルである。

日本の新聞には、モスクワでの右ハンドル禁止デモの様子を伝えていた。モスクワはドイツなどのヨーロッパからの中古車が多いが、最近のユーロ高のせいで日本車を買う方が有利になったことが、モスクワでの抗議行動に繋がったものである。

中国などで日本製品のボイコット運動などが起きたが、ロシアでは日本製品を市場から締め出すなとの声が強い。ロシアとの仕事をやっている者として非常に嬉しい限りである。

トヨタがロシアに進出することは既に伝えられている。今、ロシアの自動車市場が世界から注目を集めている。

ある調査によると、2004年の新車販売台数は国産普通乗用車が約110万台、外国製が約40万台だった。高価な外車販売台数は倍増している。

ロシア政府は外資融資か、国内保護かとロシア自動車産業のジレンマに頭を抱える。このような政府の動きがあるたびにロシア極東の日本車愛好者らが頑張っている。

2005/05/27 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2005年6月掲載の記事を転載したものです。

<<ウラジオ短信一覧へ戻る



page top