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ウラジオ短信

ウラジオで日本製の陶器を売る店

ウラジオ市内で高級品を販売しているデパート・イグナットに「たぬき」という一風変わった店がある。この店はウラジオでは唯一、日本製の陶器の茶碗や皿、箸などの食器類を販売している。

経営者は、ウラジオストク日本センターの元職員の女性とその夫。女性は日本語が堪能で、ご主人も同センターの元運転手。二人とも大の日本贔屓である。

実は、この店が開店する前、日本センターの元所長から話を聞いており、新潟で買い付けの際には協力を依頼されていた。そんなこともありウラジオ出張の際にはいつも寄るようにしている。正直なところ、高級品ばかりを販売している場所で家賃も高いだろうし、いつまで持つかなと心配していた。しかし、来るたびに商品構成が豊富になり、店のスペースも広くなっている。

先日、店に立ち寄った際、ちょうど主人のセルゲイさんがいたので立ち話をした。仕入は正規の輸入をするほどのロットではないために、一月半毎に船で富山に買い付けに行っている。一回の買い付金額が約3000ドル程。そこから日本への渡航費などの経費を差引いても利益を出せるとのこと。成功の秘訣は「在庫を置かない」という経営方針だという。

やはり、日本とロシア極東が地理的に近いからこそ、このようなビジネスのやり方が可能なのだと感じた。ぜひ、新潟に買い付けに来て下さいね、言い残して店を後にした。

しかし、彼の経営努力はこれだけにおわらない。買ってくれたお客には日本製の和風の紙袋にいれて渡すという心憎いサービスも忘れてはいない。また、ウラジオ市内の和食のレストランから食器類の注文を取って日本から取寄せるという営業努力も怠っていない。

ここ数年でウラジオのビジネス競争も日本並みに激しくなってきている。価格が同じ場合、店のイメージ作りやサービスで差別化をはかるか、または「たぬき」のように誰も目をつけなかった新商品を販売するしかない。日本から商品を持ってくれば儲かる時代は終わり、頭を使った経営が勝敗を左右しているようだ。

2003/04/18 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2003年04月掲載の記事を転載したものです。

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