JSNトップページ > ロシアな日々 > ウラジオ短信

ウラジオ短信

北朝鮮労働者は働き者でロシア人に人気

ウラジオに滞在していると、街のいたるところで朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の労働者を目にする。90年代中頃、一時、労働者は減っていたが、最近、また多くなったように見える。

朝鮮人労働者の評価は、ロシア人にはいい。彼らは働き者で土、日曜の休日には、ロシア人アパートの修理のアルバイトに精を出している者も多い。弊社のスタッフも家の修理を任せたが、修理代が安いのにきちんとした仕事をやってくれるとほめていた。

その北朝鮮とロシア極東との経済協力が活発化する動きが目立っている。昨年の金正日総書記がシベリア鉄道を横断した訪ロに続き、年内にも再度、極東を訪問することが予定されている。

去る4月4日には、チョ・チャンドク副首相をはじめとする北朝鮮経済代表団がロシア極東各地を訪れ、貿易の拡大、電力や資源供給について協議をした。北朝鮮側は、この協議にあたってロシア語で作成した20頁にも及ぶ「北朝鮮投資経済案件リスト」を準備していた。このリストの概要は、「分野別の経済協力」、「135企業の投資案件」、「北朝鮮の希望する輸出入商品」、「企業紹介」などが詳しく掲載されている。これからも、ロシアとの経済協力を真剣に望んでいることが伺える。

年内の金正日総書記の訪ロでは、朝鮮半島からシベリア鉄道への連結が重要課題として協議されるようだ。最近、ロシア側の鉄道専門家による北朝鮮の鉄道調査によると、北朝鮮側の鉄道はレールや枕木などすべてを取りかえる必要があり、このままでは危険という。しかし、莫大な費用がかかるため、自国だけでの再建は無理とロシア側は見ている。

この鉄道連結は、朝鮮半島からロシア極東やヨーロッパへの物流だけでなく、この地域の人の往来の拡大も予想され、日本の協力が求められている。

2002/05/01 JSN 田代雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2002年05月掲載の記事を転載したものです。

<<ウラジオ短信一覧へ戻る



page top