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ウラジオ短信

車上荒しにはロシア仕様

先日ロシアに駐在する友人から車上荒しにあったと連絡があった。彼の車は過去に3回も被害に遭っており、友人は修理するのが馬鹿らしいとこぼしていた。

この話を弊社ウラジオストク事務所のスタッフにしたところ、ある自動車販売店が面白いサービスをやっているというので見学に行ってきた。そのサービスとは日本から持ち込まれた中古車をロシアで安心して使うための「雪国仕様」ならぬ「ロシア仕様」に改造するもの。内容は主に盗難対策と寒冷対策を足したもので一台8万円もすると言う。まず、防犯ブザーとセンサーの取り付けに始まり、タイヤの盗難防止用にボルトを特殊な形の物に変更。鍵はリモコンでのみ開くようにし、ギアにもU字錠を取り付け、駐車時は完全に固定。ガラスには厚さ1mm程のアクリルフィルムを張り付け割れにくくし、ウィンカーやランプ、バンパーなどの固定は太い針金で内側からボディーに直接行い工具だけでは取り外せなくしてしまう。そして極めつけは、ガソリンを送るポンプに新しくスイッチを設け、シートの下やドアのポケットに持ち主だけが知る秘密スイッチまで取り付けてしまう。

ここまですれば完璧と思うのが普通だが、販売店の話では、どうやらそうではないらしい。では一番の防犯対策は?とたずねると「ここではいい車になんか乗らないことだ。」と返ってきた…。

2000/03/20 JSN 菅原 専

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」2000年03月掲載の記事を転載したものです。

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