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ウラジオ短信

犯罪摘発率の上昇が慰めに

既に新聞やテレビで報道されているが、ウラジオストクで日本人女性失踪事件が起きた。
彼女は誕生日の7月26日を境に、同棲していたロシア人男性とともに消息を絶った。二人が暮らしていたアパートには大量の血痕が残っており、警察は殺人事件として捜査を開始した。

今回の事件ではウラジオになんらかの関わりを持つすべての人々がショックを受けたと思う。そして、日本人女性の安否が気になるとともに、ウラジオの印象が悪くなってしまったことが残念だ。

沿海地方内務局が最近、今年上半期の活動を報告した。それによると、今期の同地方における犯罪発生件数は27943件で9.3%増加している。しかも刑事事件の増加率は11.28%。 さらに、殺人事件は15%増加、凶悪犯罪、極悪犯罪は12.8%増加したという。しかし、いちばん多いのは窃盗で、犯罪全体の48.1%である。

このような事態の背景には、ロシアの厳しい経済事情がある。ルーブル切り下げ後人々の給料は目減りし、国内の消費は落ち込んだ。貿易で一山当てることも難しくなった。

このような状況で警察の犯罪摘発率が高くなったことがせめてもの慰めだ。 今期の犯罪摘発率は72.0%で0.8%アップしている。特に刑事事件の摘発率も0.8%アップして63.8%である。また、19ヶ所の警察署で摘発率が80%以上である。

1999/08/06 JSN 釈囲美法

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1999年08月掲載の記事を転載したものです。

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