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海の向こうでは公然と意志表示

最近のロシアの新聞に掲載されたアンケート調査から、ユーゴスラビアの民族紛争に対するロシア国民の関心の高さが伺える。

これは「全ロ世論調査センター」(モスクワ)という組織が行ったアンケートの結果である。ロシア国民の意見をおおむね繁栄していると思う。

アンケートの結果、「米国の印象が悪くなった」と答えたのは全体の53%にのぼった。 例えば、NATOの空爆が開始された直後、モスクワだけでなくウラジオでも住民が米国総領事館の周辺で抗議デモを行った。

日本海を挟むウラジオと新潟でかなりユーゴ紛争に対する対応が違う。攻撃の是非はさておき、海の向こうでは公然と意志表示がされているのだ。

さらに、アンケートに答えた32%が、今回のNATOの軍事介入が新たな冷戦につながるのではないかと心配している。

当初、なぜこんなにもロシア人がセルビア人を擁護するのか理解できなかった。旧ユーゴはロシアの直接の同盟国ではなかったし、政治的に対立した時期も長かった。にもかかわらず民族的親近感に負けないほど、旧ソ連の傘の下で東欧諸国がまとまっていたという印象がロシア人の中に強烈に残っているのではないかと思う。

私の友人(女性)は「突然ロシアを巻き込んだ戦争が始まるのではないか」と不安でたまらなくなる」と言う。

ただ、彼女の解説によると、多くのロシア人は米国政府と大統領を批判しているのであり、アメリカ人全般を毛嫌いしているわけではない。そして紛争解決によって両国の関係が必ず回復すると信じている。

1999/04/29 JSN 釈囲美法

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1999年05月掲載の記事を転載したものです。

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