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沿海地方知事の解任と前市長の復帰か

8月14日、「沿海地方知事の職務不履行」に関するロシア大統領令が発布された。9月15日までに沿海地方の燃料エネルギー状況を正常化しなければ、ナズドラチェンコ知事は解任に追い込まれる。

これは、7月10〜19日にかけて沿海地方の多くの町が停電にみまわれ、一般家庭や工場、公共施設などへの送電が毎日、半日以上もストップしたことがある。

しかし、表向きの理由とは別に、沿海地方とモスクワの政治的な対立が、この大統領令の発令となったと見られている。

前に解任されたチュバイス前第一副首相とナズドラチェンコ知事の対立は周知の事実である。そのチュバイス前第一副首相が、大統領府長官として復帰した直後の出来事であることが興味深い。

ここで問題なのは、選挙で選ばれた地方知事が大統領令で職務を解任されることである。職不履行を理由に住民からリコールされるのであれば仕方ないが。

9月15日、沿海地方知事が大統領令によって解任されると、知事選挙が予定される。ナズドラチェンコ知事は「推薦されれば私は応じる」とマスコミに話している。

また、2年前に「収賄」を理由に解任されたチェレプコフ前市長の職務復帰の判決が裁判所で下された。 ウラジオ市では10月6日に市長選挙が予定されているが、チェレプコフ氏が市長に復職するのか、選挙が行われるのか、市民は注目している。

1996/08/25 JSN 田代 雅章

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年08月掲載の記事を転載したものです。

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