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ウラジオ短信

一緒に捨てられる袋やパック

5年前、私がウラジオストクに住み始めたころ、買い物に行くと市場などはもちろんデパートでも買い物用の袋を置いているときと、そうでないときがあった。買い物には、買い物袋やビニール袋、空き瓶(液体を入れる)、新聞紙(肉などを包む)を持参しなければならなかった。

私も最初は面食らって不便に感じていたが、そのうち買い物袋の携帯が癖になった。そして逆に「私は環境保護に貢献している」と自画自賛し始めた。

ロシアではごみは分別せずに一緒に捨てる。ビニール袋やプラスチック容器をあまり使わなかったから、それでよかったのだろう。

一方、国内製の飲料の空き瓶は商店に持っていくと有料で引き取ってくれるので、ごみ捨て場で瓶をあさる浮浪者や子供たちをよく見かけた。分別のある人は浮浪者のために家の空き瓶をそっとごみ捨て場の隅に置いた。

ところが、今は輸入食料品がどっと店頭に並んでいる。それらの多くはポリエチレンのパックやペットボトルに入っている。また西側並に買い物袋を常備している商店が一般的となった。袋が別売りで、必要なければ買わずにすむのがせめてもの救いだが、相変わらずごみはいっしょに捨てられている。

危機感を感じるのは私だけだろうか。物質的に豊かになれば、ごみも増えるのは当然のこと。輸入品の品質規制とごみ処理がウラジオ市行政の今後の課題だと思う。

1996/06/02 JSN 釈囲美法

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年06月掲載の記事を転載したものです。

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