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復活クリスマスに戸惑いも

ロシアではお正月連休(2日まで)の後に、ロシア正教のクリスマスの祝日が控えている。今年は休日が重なり、6日から8日までのクリスマス3連休である。

クリスマスが公式に休日になったのは91年から。革命後の七十数年間、国策として宗教や信仰は一切否定されていた。当時は投獄などのかなり厳しい弾圧を受けた信者もいたそうだ。だから、いきなりキリストの誕生を祝おうと言われても、大部分の人々が戸惑っているようだ。家庭でどう祝っていたのか覚えているのはかなりの高齢者くらいだ。

もちろん、信者にとってはクリスマスは大切な行事である。教会ではイブの夜から特別な礼拝が行われる。深夜から早朝まで賛美歌が響く教会もある。ウラジオストク市内には2つの教会がある。ここ数年の政情不安も手伝って信者の数が増えている。

今年、特に目立つのは「祝キリスト誕生」とロシア語で書かれた多数のきれいなカードが売られていることだ。それらは雪の中に立っている教会を描いたものが多い。また聖書やイコン(聖画像)をはじめロシア正教関係のものを販売する専門の売店も現れている。

もみの木もマロースおじさん(サンタクロース)も既に元旦に登場してしまい、このクリスマスシンボルはこれといってないようだ。一方、一般市民には、新年に続いてシャンパンを開けるいい口実になりそうだ。

1996/01/07 JSN 山本 千津子

※この記事は、新潟日報紙の「環日本海情報ライン」1996年01月掲載の記事を転載したものです。

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