JSNトップページ > ロシアな日々 > ロシア一般家庭の紹介

ロシア一般家庭の紹介

モスクワの「バソフさん一家」 紹介 月刊「ロシア通信」2013年6月号掲載

   弟マクシム(左)と兄スタス(右)

兄/スタニスラフ(28歳)   弟/マクシム(28歳)   
母/タチヤーナ(56歳)

 今回ご紹介するバソフさん一家では、誇張なしに、家長は兄スタニスラフ(スタス)です。というのも、彼は、弟が結婚して家庭と子供をもうけてからも、ずっと母の面倒を見て来たからです。
 スタスとマクシムはモスクワ育ちの双子です(スタスは弟よりも3分間だけ年上です)。二人はモスクワの第704スポーツ学校でともに学び、放課後には音楽学校へ通っていました。
 学校を卒業すると、スタスはスポーツ界へは進まずに、大学で真剣に勉学に取り組もうと決めました。けれども、彼がモスクワ大学の試験に合格した直後、不幸なことに、お父さんが自動車事故で亡くなったのです。その後、一家の全ての重荷がスタスの肩にのしかかりました。お母さんのタチヤナはずっと主婦だったので、給料をもらっていなかったのです。
 そんな状況にも関わらず、スタスは学業を放棄せず、モスクワ大学で外国語を専攻し、英語とフランス語を完全にマスターしました。
 在学中からスタスは仕事を始めました。最初の職場は、ミシンや編み機を販売するウェルズという会社で、彼はそこで4年間働き、大学卒業後には、シェレメチェボ第2国際空港の免税店に転職しました。どこの職場でも、彼の第1級の外国語の知識は重宝されました。特に外国人の多い空港での仕事ではそうでした。
 現在、スタスは日系の不動産会社に勤めて3年目になります。彼は日本語は分かりませんが、今後マスターするつもりでいます。
 学業と仕事を両立していたにも関わらず、スタスはいつでもサッカーをする時間を見つけだしました。休日ごとに、彼は友だちとサッカーを楽しんだり、お気に入りのFCスパルタク・モスクワの試合を観戦したりしました。彼のもう一つの趣味は音楽で、今、彼は友人と音楽グループ「Pilugina-san」を結成しています。最近、モスクワのArt Garbageクラブで最初のコンサートを開きました。
 年齢とともに、スタスは自分の家庭を持つことを考え始めました。残念なことに、多忙な仕事のスケジュールのせいで、彼はこれまでほとんどプライベートな生活のための時間と余力を持てませんでした。今そのことを彼はとても悔やんでおり、できるだけ近い将来、この状況を変えようと最大限の努力を払っているところです。

<<ロシアな日々に戻る



page top