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ロシア一般家庭の紹介

モスクワの「夏井さん一家」 紹介 月刊「ロシア通信」2013年12月号掲載

      結婚式の日のユウキ(左)とワレリヤ(右) 
夫/ユウキ(30歳)店舗経営  妻/ワレリヤ(24歳)デザイナー
犬/リサ/マキ 猫/ジュリエン

 今月はモスクワの若い家族のお話です。日系ハーフのユウキ(裕喜)とロシア人のワレリヤは4年の交際を経て、今年の9月1日に結婚式を挙げました。
 2人の出会いのきっかけとなったのは、かなり特殊な場所でした。というのも、ユウキが未来の奥さんを見初めたのは、モスクワで行われた日本のポップカルチャーイベントの会場だったのです。ロリータ・ファッションが大好きなワレリヤも参加していましたが、彼女は会場の人混みの中でもかなり人目をひいていました。すぐにユウキも目を付けたのですが、その日は仲良くなるどころか、声を掛けることもできずに終わってしまいました。しかし、お姫様の恰好をしてひときわ目立っていた彼女の姿はユウキのハートをすっかり虜にしてしまったのです。彼女が何者なのか、なんとか探し出して知り合いになろうと誓った彼は大捜索の末、ついにSNSでワレリヤのページを発見したのです。それからメッセージのやりとりが何週間かあって、直接会って、そしてこの出会いが運命であることを確信したのです。 
 半年後、2人は一緒に暮らし始めました。そして去年の12月21日(ロシアのマスコミがマヤ暦でこの世の終わりだと騒ぎたてて国民を脅かした例の日)にプロポーズしました。2人の息はぴったりで、なおかつお互いを支え合う、とてもよい関係です。
 2人とも今は仕事が一番大切なので、まだ子供はいませんが、将来は絶対に何人かほしいと思っています。今のところは2匹の犬(リサとマキ)と猫(ジュリエン)の親代わりといったところです。3匹とも偶然、家族に加わったのです。
 リサとマキはまだ仔犬の頃、道でワレリヤに拾われました(彼女は可哀そうな動物を見捨てておけない人なのです)。そしてついこの間、ちょうど2人の結婚式の日に、まだほんの小さな毛の固まりのような仔猫が、自分から2人の家に迷い込んできたのです。これは2人にとって、とても象徴的なできごとになりました。この仔猫を引き取るという決断が、新しい家族としての初めての決断になったのです。もう大きくなっていた犬たちも、この仔猫とあっという間に仲良くなりました。全員まだまだ若い、2人と3匹の夏井ファミリーですが、すでに強い家族の絆で結ばれていて、家の中はいつも穏やかで和やかな空気に満ちています。
 一家はモスクワの南西区に住んでいます。ユウキは人生の大半をここで暮らしてきました。ここから大使館付属日本人学校や大学に通ってきたのです。ここはユウキにとって、とても近しい大事な存在になっていました。そこで彼は、これからの人生の拠点もここに構えようと決心したのです。一方のワレリヤはモスクワの北の方に住んでいましたが、小さい頃から父親の仕事の都合で引っ越しに慣れていたせいか、特にそこに愛着もなかったので、喜んでユウキの地元に引っ越してきました。これからここで夏井家の新しい生活が始まります。

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