
ウクライナ戦争は多民族国家ロシアの全ての民が共に背負う試練であるとプーチン大統領は語っていたが、ロシアの貧困地域ほど多くの死者を出している模様だ。欧州政策分析センターのコリャンドル氏による分析を2月2日付でThe Bellが伝えた。
BBC News Russian(旧BBC Russian Service)と独立系ニュースサイト「メディアゾーナ」のデータによれば、ロシアの各地域(構成主体)の人口に占めるウクライナでの死者数の割合は地域によって大きく異なる。国内で同指標が最小のモスクワ市は0.02%、サンクトペテルブルク市とチェチェン共和国では0.03%だが、ブリヤート共和国では0.4%、チュクチ自治管区及びトゥバ共和国では各0.5%である。つまり、チュクチ自治管区及びトゥバ共和国の指標はモスクワの25倍となる。このように全体的な傾向とは異なる異常な指標値を示す地域は、全構成主体85(2022年に併合された4主体を除く)のうち20を数える。(中略)
地域別の死者数の割合における「異常地域」をみると、ロシア政権の社会・経済的戦略が浮き彫りになる。政権側は、社会的な秩序と安全保障にとって重要な地域であるモスクワ、サンクトペテルブルク、北カフカス諸国の住民への負担は軽くし、予算が足りず非ロシア系住民の割合が高く貧しい遠隔地の住民の負担を重くしている。経済状況が悪化していく中、この傾向は強まっていくとみられる。もっとも、死者の地域格差がこの仕組みを破綻させる可能性は低い。経済状況が悪化していけば、困窮ゆえに志願する者が増えると考えられるので、志願兵が不足することにはならないからだ(後略)。(2/2)
週刊ボストーク通信1617号より