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ロシアで一部の野生動物の増えすぎが問題に

 ヒョウ、ユキヒョウ、トラといった希少野生動物の数が保護活動で回復する一方、駆除数の減少で熊や狼が増えすぎる問題が生じている。ロシア科学アカデミー生態学・進化学研究所主任研究員のバスキン博士のインタビューを5月13日付でロシイスカヤ・ガゼータ紙が伝えた。(中略)ヤマル半島やアムール川デルタ地帯では野生トナカイの生息数が激減している。ロシアにおける野生トナカイの総生息数は2017年に112万7000頭だったが、2019年には92万5000頭まで減少した。(中略)一方、カムチャツカ半島、サハリン島、クラスノヤルスク地方では熊の出没件数が増加し、行政が住民に注意喚起を行っている。(中略)しかし熊が人里に出没する原因は餌あさりだけではない(以前であれば、熊が出没するのは森が飢饉の年だけだった)。問題は、駆除される熊の頭数が減ってきていることにある。今の時代、食料調達目的で熊を狩る必要がなく、熊の毛皮も高くは売れない。人々は概して野生動物の保護を支持している。しかし狩猟による個体数調整が行われなくなった結果、タイガ地域ではここ10~15年で熊の生息数がおびただしく増加している。バスキン氏によると、自然界における大型肉食動物と有蹄動物の最適比率は1:30だが、現在の北極圏ではこれが1:4にまで変化している。(後略)(5/13)

 (週刊ボストーク通信1386号より)




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