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レストランが冬を越せない:不況で企業忘年会の縮小が相次ぐ(モスクワ)

 プーチン大統領から自粛令が出てもなお盛況だった昨年とは打ってかわり、今年は企業忘年会の自粛や縮小が相次いでいる。レストランや宴会場の予約は3割強減っており、例年通りの開催を決めた企業でも招待客数を減らしたり、レストラン側に値引きを求めるなど財布の紐を締める傾向にある。11月28日付でRBC Dailiyが伝えた。
 「新年を祝いたければ会場は夏のうちに確保しておけ」――モスクワのビジネスマンの間ではこうした慣例が長年にわたって浸透し、レストランの方でも春のうちから冬の予約リストの作成を始めていた。大きな宴会場は11月初めまでに全て予約が埋まってしまうため、満足のいく会場を確保することは大きな手柄と考えられていた。
 こうした風潮は、国営企業が国の予算を使って盛大な宴会を催すことにプーチン大統領が苦言を呈した昨年も変わらなかったが、今年は状況が一変し、新年まで1ヶ月をあますところとなってもモスクワのレストランや宴会場では予約の埋まっていない日が残っている。(中略)
 欧米諸国との制裁合戦により食料品が高騰する中、高級輸入食材も予算や仕入れの問題で宴会のメニュー見積りから外されている。レストラン「チャイカ」(宴会予算1人あたり4000ルーブル〜)ではシェフにイタリア人を雇っているが、最近は食材の多くをロシア産に切り替え、ブッラータ(イタリアチーズ)もベラルーシなど禁輸地域外から仕入れたものを使用しているという。
 宴会の規模も縮小傾向にあり、以前のように会場貸切で行う100〜300人規模の予約は数えるほどで、10〜50人規模の予約が増えている。(中略)
 外食産業の忘年会シーズンの売上は通常期の2〜3ヶ月分に相当し、業界は例年、客足の鈍る1、2月を12月の売上で補っている。だが前年比2〜4割の売上落込みが見込まれる今年、レストラン関係者は厳しい冬を迎えることとなりそうだ。(後略)(11/28)

(週刊「ボストーク通信1071号より)




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