JSNトップページ > ニュース記事

最新ニュース

米国が新たな対ロシア制裁:金融と軍事への締め付け強まる

 7月16日、米財務省が新たな対ロ制裁措置の発動を発表した。今回は、資源大手のロスネフチ及びノバテック、国営銀行の対外経済銀行(VEB)及びガスプロム銀行、さらに軍事企業8社と政治家数名(東ウクライナの新ロ派も含む)が対象となった。明確な実害が生じるのは、カラシニコフ社の米国向け銃輸出と見られる。7月18日付でベドモスチ紙が伝えた。
 今回新たにブラックリスト入りした企業とその子会社に対して、米国の企業及び個人は、債券の購入や新たな融資の供与を行うことができなくなった。しかし、当該企業の米国内の資産は凍結されず、新規ではない融資や既に流通している株式の取引は禁止されない。
  ロスネフチのセチン社長は、今回の制裁により臨時の資金手当てが必要になるほど財務状況が悪化することはないと述べた。専門家らは、ロスネフチは中国CNPCから原油の前払いを受けるので資金的には問題ないと見ている。他方、米エクソン・モービルと進める新規事業(サハリンLNGや大陸棚鉱床の開発等)において、エクソン・モービルが米国以外の銀行を利用せねばならなくなることを懸念する声もある。また、ロスネフチは6月末に英BPと石油製品の売買契約(5年間で1200万d)を15億j以上の前払い条件で締結したが、こうした取引の遂行にも支障が出る可能性があると見られている(7月21日付ベドモスチ紙)。 (中略)
 また、ロシアの投資銀行のアナリストらは、今回の制裁によりロシアの格付けがさらに下がり、ロシアの企業や銀行が海外から資金調達する際の条件が悪化し、ロシア経済やその近代化政策に悪影響が出る可能性があると指摘している。(後略)


(週刊「ボストーク通信1053号より)



page top