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極東ロシアでチムチェンコ氏の沿海地方石炭ターミナルが環境問題で地元の反対に遭う

 「シベリアビジネス同盟」(SDS)は、沿海地方スホドル湾に国内最大級の石炭ターミナのル建設を予定していたが、同湾内陸部に位置するボリショイ・カメニ市住民の反対を受け、建設予定地を数百m北上したテリャコフスキー湾に変更した。一方、石炭ターミナル建設に反対する専門家らは、同地方立法議会に対し建設地のさらなる変更を求める構えだ。5月13日付でコメルサント紙が伝えた。
 SDSはテリャコフスキー湾の優位点について、シベリア横断鉄道までそれほど遠くなく、引込線の敷設費用を節約できること、かつて軍用空港があったため土地が平坦であること、自動車道が整備されていること、ウスリー湾は冬期もめったに凍結しないため砕氷船が不要であることなどを挙げた。
 これに対して専門家は、テリャコフスキー湾は日本海に向かって開いているため台風の影響を受けやすく、実際に1983年に大きな津波の被害を受けていること、地殻構造から地震の可能性を考慮する必要もあること、さらに、ターミナルの建設により、ホタテやナマコ、ウニ、絶滅危惧種のカニが生息する付近一帯が、80haにわたって被害を受けることを指摘した。(中略)
 今年3月、連邦政府会議において、ロシアの年間石炭輸出量は、2013年の1億4200万dから2030年には2億500万dに増加するとの予測が発表された。現在、輸出石炭の約4割が極東の港湾から積み出されており、ターミナルのキャパシティは限界に近い。
 そこで、SDSは石油富豪チムチェンコ氏のボルガ・グループと合弁会社を設立し、年間処理能力2000万dの石炭ターミナルの建設を計画した。クズバス(シベリア連邦管区ケメロボ州)の石炭の一部もここから輸出される予定だ。(5/13)

(週刊「ボストーク通信1044号より)




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