JSNトップページ > ニュース記事

最新ニュース

ロシアの美容医療市場

 ロシアでは美容市場が急速に拡大している。過去20年間、英国、イタリア、ドイツといった美容先進国に遅れをとっていたロシアでは、現在、ヒアルロン酸注射、金の糸といったいわゆる「プチ整形」が人気で、最新技術を導入したエステの施術を受けることも可能だ。2月4日付でロシイスカヤ・ビジネス・ガゼータ紙が伝えた。
 コンサルティング会社Step by Stepによると、ロシアの美容医療市場は、金額ベースで1億2000万j(2012年)規模に達し、強制保険適用外医療の5%に相当する。2013年の速報値をみても、同市場は10%の伸びを示し、今後数年は年間7〜12%のペースで拡大するものと見られる。特にアンチエイジング部門が大きい伸びを示しており、マッサージ、ピーリング、金の糸といったメスを使用しない美容法の人気はうなぎのぼりだという。一方、美容整形の人気は停滞気味だ。
 独製薬大手メルツによると、ロシアでは男女合わせて14%が美容医療を許容できるとしており、うち7%の女性が施術を経験済、8%が近日中に施術を受けると回答、33%がこのような美容法の施術を検討しているというが、これらの指標は全世界の平均を下回る。
  国立太平洋医科大学教授で、美容皮膚科学の専門家であるユツコフスカヤ氏は、欧州諸国とは異なり、ロシアの女性には、老化を後退させるために毎日ケアをするという発想がないと指摘する。その一方で、アンチエイジングに対する関心は非常に高いという。(中略)
 全般的に、ロシアの美容市場は、生来の自然な美しさを活かせる製品や施術に人気が集中し、男性向けの美容法も需要が拡大している。他方で、グレー市場との競合、技術が確立していないサロンの乱立、優秀なスタッフの国外流出等の問題への対処が課題とされる。(2/4)

(週刊「ボストーク通信1031号より)




page top