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ロシア・ウラジオストクの中古車市場「グリーンコーナー」で日用品も取扱い:
中古車の収益減で多角化

 ウラジオストクにあるロシア最大の中古車市場「グリーンコーナー」では、中古車規制などに伴う販売収益の低下を受け、日本中古車だけでなく、日本製日用品などの扱いも増えてきている。4月4日付でゾロトイ・ログ紙が伝えた。
  現在の「グリーンコーナー」で目にするのは、日本のアルコール飲料、コーヒー、菓子類、シャンプー、手拭ナプキン、オムツなどで、その種類も豊富だ。夏が近づくと、蚊よけブレスレットも売れるようになるという。日本から持ち込む中古車だけでは高収益が上げられなくなったため、これらの日用品や飲食品を扱うことで売上に繋げようとしている。
  背景には、中古車関税引き上げによる規制、近年の中古車ネット販売の増加、福島第一原発事故後の放射能汚染への懸念といった要因が挙げられる。かつては、1台の中古車を売れば500〜800jの粗利益が得られたが、今では5000〜7000ルーブルの稼ぎにしかならない。
  中古車ディーラーのミハイル(仮名)は、「利鞘が縮小した中古車販売市場で生き残るために、日本製品の扱いを始める者がいる」と現状を説明する。アルコール飲料の中では、ウィスキーやブランデーなど、高アルコール飲料の人気が高いという。通常、酒類の販売には許可(ライセンス)が必要だが、ミハイルは「形式上、客には他の商品を販売し、アルコール飲料を“贈呈”の扱いとすれば、問題はない」と打ち明ける。
  グリーンコーナーはウラジオストク市で1993年に誕生した中古車市場。ソ連崩壊後の経済難の中、日本製中古車を中心とする売買が整備業や部品調達などの関連業を生み、かつては一大都市産業と言われるほどの盛況を誇っていた。しかし2009年、中央政府が国内自動車産業保護を目的に中古車に係る輸入関税を引き上げたことが打撃に。昨年12月以降は解体車の一種「カルカス(骨組み)」も「ボディ」に分類され、5000ユーロの関税が課されるようになる)など、税関当局の締め付けは厳しくなっている。 (後略)

(週刊「ボストーク通信941号より)




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