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ロシアがWTO加盟でEUの合意を得る:自動車部品の輸出が減ればロシア政府が補償の条件

 10月21日、欧州委員会とロシア外務省の協議で、ロシアのWTO加盟に関してロシアとEUが合意した。懸案となっていたロシアの自動車産業育成を巡る保護政策については、ロシアの政策的措置により欧州からの部品輸出が減少した場合には、損害が補償されることが決められた。同日付でノーボスチ通信が伝えた。
  既報の通り、ロシアは欧米をはじめとする海外の自動車メーカーと、生産の現地化と生産能力の増強を条件とする部品の輸入関税に関する優遇措置協定を締結しており、2020年までには海外の自動車部品メーカーのロシア進出が進むことが予想される(本誌915号に関連記事)。欧州委員会のカレル・デ・グフト貿易担当委員は「今回の合意は、自動車及び自動車部品生産分野において、雇用がロシアに移されることからEUを守る助けとなる」と述べた。
 ロシアはWTO加盟交渉を17年前から続けており、今年ようやく合意の目途が立ったとされていた。しかしまだグルジアとの問題が残っている。グルジアは2008年に、ロシアがアブハジアと南オセチアに対する経済制裁を解除したことを不服として、ロシアとのWTO交渉を中断した。その後、今年3月にスイスの仲介により交渉は再開されている。問題が解決されれば、11月10日の作業部会での承認を経たうえで、12月15〜17日に開催される一般理事会での最終決定に間に合う可能性がある。(後略)

(週刊ボストーク通信918号より)




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