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ロシアが干ばつで14地域に非常事態:穀物収穫予測が下方修正される

 ロシアではタタールスタン、ボルゴグラードなどウラル連邦管区、沿ボルガ連邦管区を中心に14地域で例年にない干ばつのため非常事態が宣言された。ロシア連邦農業省は今期の穀物収穫予測を9700万dから8500万dに下方修正している。ロシアのほかにもカザフスタン等主要穀物生産国が軒並み干ばつの影響で生産量を減らしており、穀物の国際市場への影響も懸念される。7月8日付けEXPERTを中心にプレスの報道をまとめた。
 7月8日の時点で非常事態が宣言されているのは、バシコルトスタン共和国、タタールスタン共和国、モルドビア共和国、ウドムルト共和国、チュバァシ共和国、サマラ州、サラトフ州、ウリヤノフスク州、チェリャビンスク州、オレンブルグ州、ボルゴグラード州、ペンザ州、ニジェゴロド州、ボロネジ州の計14地域。
 専門家は、ロシアの穀物生産量減少が、世界市場の価格に影響を与える可能性があると指摘する。農業市況研究所のルィリコ代表取締役は、ロシアの穀物輸出量の不足が明らかになれば、国際市場での価格も跳ね上がると予測する。
異常気象による穀物収穫量の減少は、カザフスタンやウクライナ等他のCIS主要穀物生産国でも生じている。ウクライナ農業政策省は今期の穀物収穫量が予測値よりも100万〜150万d少ないと見ており(7月7日RBCウクライナ)、カザフスタン農業省のエブニエフ副大臣は「今年は記録的な豊作は期待できません」と述べている(7月8日付APK-INFORM)。
 7月5日付RBCによれば、ビクトル・ズプコフ第一副首相はスクルィンニク農相に対して干ばつの被害を調査し、被害を受けた農業生産者への支援策を提案するための干ばつ被害対策本部を設立して事態に対応するよう指示を出している。(7/8)

(週刊ダーリニ・ボストーク通信855号より抜粋)




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