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完全かつ最終的な脱ドル化を果たそう−国民が外貨での蓄えをほとんど処分した(要旨)

ファイナンソブィエ・イズベスチヤ 2007/07/09

ルーブルがドルに決定的な勝利を収める日が近づいている。ロシア人は今年初めから記録的な量のドルを、一説では70億ドルを、売却した。人々のいわゆる「タンス預金」は100億ドルにまで減っている。ドルはいま流行りではないのだ。専門家は、今後1年でロシア国民が外貨預金を手放し、ドル依存から完全に脱却することを確信している。

セルゲイ・イグナチエフ中央銀行総裁は先日、今年6月までに、個人の手持ち外貨資産が著しく減少したことを明らかにした。イズベスチヤ紙がロシアの銀行の最新データを分析し、脱ドル化の規模を探ってみたところ、ロシアでは、2007年の第1四半期だけで、個人の手持ち外貨がおよそ30億ドル減少した。昨年2006年の個人の手持ち外貨は、第1四半期に2億2200万ドル増加したものの、1年を通してみると100億ドル以上が「タンス預金」から取り崩されており、ロシア人の外貨による「へそくり」は170億ドルにまで減少していた。

この傾向は今年に入って更に強まり、専門家は、バカンスシーズンを迎える第2四半期にはこうした「へそくり」のドルが海外旅行などでより活発に消費されるものとみている。「VDOユニコン」社・マクロ経済研究所(CMEI)のエレーナ・マトローソワ所長は、早ければ今夏、個人の手持ち外貨が(危機的指数とされた)100億ドルを下回るかも知れないと述べ、また「1年後に同指数は、0に近い所まで低下するかもしれない」と予測している。

ロシアの人々が「へそくり」の外貨を急速に手放しているのは、国内の物価インフレや、ルーブルレートの値上がりと関係がある。CMEIのデータによれば、2006年6月〜2007年6月の間に、ドルのレートは12.13%、ユーロは5.83%下落している。これは銀行預金でも同様で、ドルやユーロよりも、ルーブルで預けた方がお得な状態だ。

興味深いのは、血と汗の結晶であるドルを、ロシア人がどこに消費したかということだ。エレーナ・マトローソワ氏によれば、ロシア人はこうしたドルを、海外旅行や(不動産・自動車など)ドル表記の買い物で消費しているという。「人々がドルを売ってルーブルに換えているとは思えません。為替レートが1ドル=30ルーブル前後のときに買ったドルを、ルーブルに交換するのは心理的に難しいはずです。なぜなら、現在のレートは1ドル=26ルーブルほどで、今ドルを売ってしまうと4ルーブルも損するのですから」

公式統計もこれを裏付け、今年初めの3ヶ月だけで、ロシアはサービスの輸入(主に旅行)に約110億ドル(昨年の同じ時期では80億ドルであった)を費やしている。国民は少しずつ豊かになり、頻繁に海外旅行に出かけるようになった。確かに、ロシア人は海外で、とにかくお金を使い、節約などしない。ましてや、長年コツコツ貯めた外貨なのだから、何も普段のように節約しなくても良いと考えるのだ。

そして、最後のアドバイスを。もしまだあなたの手元にドルが残っているのに(またそれを早急に処分したいのに)、旅行に行く予定もないなら、知人や友人に聞いてみよう。中には必ず海外旅行に出かける人がいるはずだ。中銀の公定レートで交換しようと提案してみよう。みんなが満足することだろう。お互いに節約できるのだから。

 



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