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大陸とサハリン島を結ぶ海底ケーブルの敷設工事が完了(要旨)

フィナンソブイエ・イズベスチヤ 2007/06/25

ロシアの通信大手「トランステレコム(TTK)」社は、大陸とサハリン島とを結ぶ海底光ファイバーケーブルの敷設作業が完了したことを発表した。海底ケーブルはソフ・ガワニ市(ハバロフスク地方)からイリインスク市(サハリン州)までの190kmにわたって敷設され、事前に敷設が完了していた地上部分と連結された。

現在、試験の第1段階も成功裏に終了しており、TTKが大陸に展開する幹線デジタル通信網(MThSS)とサハリンの通信網を結ぶあらゆる建設作業は完了した。システムの信頼性を期すため、ケーブルは海底から深さ1mの土中に埋められている。海底ケーブルの商業運用は一連の引き渡し手続きが完了し、許可書類が発行された後に開始される。

間宮海峡を横断する光ファイバーケーブルの建設により、サハリン州の政府、商業機関、一般市民はTTK社の高品質な通信環境を利用することが可能になる。TTK社は現在急速に必要とされつつある、インターネットをはじめとする地域間・国際間通信網への高速アクセスの提供と共に、IP電話サービスの提供も視野に入れている。

またこの海底ケーブルの敷設は、サハリンと北海道を570kmの光ファイバーケーブルで結ぶ国際プロジェクトの第一歩でもある。ロシアと日本をダイレクトにつなぐこのネベリスク−石狩ルートは、2007年2月、ミハイル・フラトコフ首相が訪日した際、TTKとNTTの間に契約がなされたもので、既にNECによる計画の実地調査作業が完了している。

「ロシアと日本をつなぐ海底ケーブルの提供が我々に委ねられたことは誠に喜ばしい。当社の技術により両国がつながれ、国際友好が発展することを期待している」とNEC-ロシアNISのミハイル・ザスカレット社長は述べた。

イギリスのシンクタンク:Yankee Groupのアナリストの指摘によると、この海底ケーブルは、現在急速に通信量が増加しつつある東南アジアとヨーロッパとが、ロシア経由で結ばれることを可能にするという。ヨーロッパの通信会社の80%はアジア太平洋地域と自社の通信網を連結しており、そのうち42%の会社が昨年末までにこうした地域間の通信能力を強化している。一方、アジアの通信会社の76%がヨーロッパ地域との通信網を確保し、3分の1を超える会社が設備を増強している。

トランステレコム社の国際販売・マーケティング部門を統括するイーゴリ・ケリシェフ上級副取締役は、「現在、ヨーロッパからアジアへの通信のうち、ロシア経由は10%にすぎないが、我々は、2010年までにこれを30%まで引き上げられるとみている」と述べている。

 



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